ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエとは?それぞれの違い、レシピ、おすすめ店を紹介
フランス料理のメニューの中でよく見る「ムニエル」、「ポワレ」、「ソテー」、「シュエ」とは?その意味は? 本記事では、ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエの意味やそれぞれの違いを解説。レシピやおすすめのお店も併せて紹介します。

フランス料理のメニューの中でよく見る「ムニエル」、「ポワレ」、「ソテー」、「シュエ」の文字。出てくる料理はおいしいですが、具体的にどういう調理法なのか分からない方も多いのではないでしょうか。実は、これらの料理はご家庭でも作れるのです。

本記事では、ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエの意味やそれぞれの違いを解説。ご家庭でもできる再現レシピやおすすめのお店も併せて紹介します。フランス料理に興味のある方はぜひご覧ください。

ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエそれぞれの違いとは?

まずは、それぞれの調理法の特徴、由来、相性の良い食材を紹介します。フランス料理と聞くと難しいイメージがありますが、実は全てフライパン一つで作れるのです。料理にある程度自信のある方は、挑戦してみましょう。

小麦粉とバターを使った魚料理ムニエル

ムニエルとは、舌平目、カレイ、鮭、たらのような魚の切り身を使った料理です。味付けした魚の表面に小麦粉をまぶした後、フライパンに乗せてバターで焼き上げる方法で作られます。カリっとした小麦粉とジューシーな魚の身がマッチしていてとてもおいしい料理です。

「粉屋の娘」という意味のあるムニエルは、その名の通り粉専門店で働くフランスの女性が考案したとされています。 魚を料理している際うっかり粉に落としてしまい、仕方なくそのまま焼くとおいしかったのでフランス全土に広まりました。小麦粉には魚の水分を吸収しうまみを逃がさないという特徴があり、まさに怪我の功名でおいしいムニエルは生まれたのです。

表面はカリッと、中はソフトに焼き上げるポワレ

ポワレとは、脂を敷いたフライパンに具材を乗せ、表面はカリっと、中はソフトに焼き上げる調理法の事を指します。食材に指定はないため、肉でも魚でもポワレと呼ばれます。ポワレを行う際は、「アロゼ」という手法が重要です。食材を焼き上げる際にオリーブオイルやバターをかけ、皮はパリッと、中はジューシーに仕上がりおいしくなります。

語源はフランス語のpoêle(ポワル)です。元々は「鍋に少量のフォン(ソースのべースとなるダシ)を入れ肉を蒸し焼きにする」調理法でしたが、現代では上記のような意味に変わりました。

フライパンで食材を炒めるソテー

ご家庭でも耳にするソテーは、少量の油を使いフライパンに乗せた肉、魚、野菜を高温で炒める調理法です。火が均一に通るように具材を切りそろえると、おいしく仕上がります。ソテー専用のフライパンである底の薄いソテーパンを使えば、炒めやすいのでおすすめです。油の風味を生かせるのが強みですが、焦げやすいので注意しましょう。

ソテーの語源はジャンプや飛び跳ねるという意味を持つ「Sauter(ソテ)」です。フライパンの中で、炒められた具材が飛び回っている様を表現して名づけられました。

食材に汗をかかせる!?シュエ

シュエは、汗をかかせるという意味のSuer(シュエ)が語源です。つまり、食材に汗をかかせるという意味を持ちます。具体的には、「食材の水分を出させながら、弱火でゆっくり炒める」調理法です。実は、野菜を弱火で炒めて水分を出すと、野菜のうまみや甘みが凝縮されます。水分を出す効果のある塩を振りかけるとさらに効果的です。シュエはラタトゥイユ、スープ、煮込み料理で主に行われます。

おすすめレシピ

次に、ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエを利用したおすすめレシピを紹介します。具材とフライパンがあれば作れるので、「フランス料理なんて作ったことない…」という方でも簡単に作れます。いつもの食事の中に一品加え、家族や友人を驚かせましょう。

たらのムニエル

さっぱりとした仕上がりが特徴の、本場フランス風のたらのムニエルです。レモンをかけることがポイントで、たらの臭みや油っぽさを抑えてくれます。焼き上げる前にたらの水分をしっかりふき取ると、身が崩れにくくなります。

作り方 1. たらの両面に塩コショウをかけて味付けした後、キッチンペーパーでふき取る。 2. たらに小麦粉をまぶしつつ、フライパンに火をかけサラダ油とバターを入れる 3. まわりの油をかけながら、たらの両面を焼き上げる 4. 焼けたたらを取り出した後、フライパンに残った汁にレモンにかけソースにする 5. たらにソースをかけ、輪切りのレモンを加えて完成

詳しいレシピはこちら 「定番料理」たらのムニエルの基本レシピ!水分が成功の鍵◎

真鯛のポワレ

少しリッチな気分を味わい時におすすめの、真鯛を使ったポワレです。レシピでは魚鯖いていますが、難しい場合は切り身を購入して使いましょう。

作り方 1. 鯛をさばいて3枚おろしにする 2. 塩を振って下処理をし、水分をキッチンペーパーでふき取る 3. 鯛のアラでだしを取り、フライパンにオリーブオイルを引いてにんにくを入れる 4. 真鯛の切り身を皮の面を下にしてフライパンに入れる 5. ひっくり返してバターを入れ、溶けたバターを切り身にかける 6. 余熱で火を通した後、残った汁でソースを作る 7. お皿に盛りつけて完成

詳しいレシピはこちら 真鯛のポワレの作り方を徹底解説!自宅で簡単シェフの味

ほうれん草のソテー

ソテーには様々な種類がありますが、手軽に作りたいならほうれん草のソテーがおすすめです。少ない材料で作れるので、メイン料理の付け合わせや彩を加えたい時に作りましょう。

  1. ほうれん草の根元を切り落とした後、3センチ幅に切る
  2. フライパンにバターを入れ、ほうれん草を入れて炒める
  3. 最後にしょうゆ、こしょうを加えてさっと炒める

詳しいレシピはこちら 手軽に作れる!ほうれん草のソテー

シュエで作ったラタトゥイユ

シュエを使った料理でおすすめなのが、夏野菜をふんだんに使ったラタトゥイユです。野菜の甘みやうまみを凝縮できるため、おいしく仕上がります。塩をかけると、水分が蒸発しさらに効果的です。

1. 玉ねぎ、なす、ズッキーニ、パプリカを1センチ程度の角切りにする 2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを加え、玉ねぎを塩入れて弱火でいためる 3. 他の野菜を加えて塩を振る 4. トマト缶、ハーブを入れた後塩、こしょうで味を調える 5. 10~15分ほど煮込んで完成

詳しいレシピはこちら プロの「ラタトゥイユの作り方」秘伝のレシピ大公開!ポイントはシュエ?徹底解説

食べられる東京のお店紹介

最後に、おいしいムニエル、ポワレ、ソテーが食べられるお店を紹介します。フランス料理は自宅で作るのもいいですが、一流のシェフに作ってもらうのも格別です。本場仕込みの料理をぜひ味わいましょう。

小岩井フレミナール

小岩井農場の直営で、常に農場直送の新鮮な食材が楽しめるのが「小岩井フレミナール 丸の内ビル店」です。ここでは、他では食べられない「アンコウのムニエル」が食べられます。レンコンの素揚げが乗っており和の雰囲気漂うメニューです。

小岩井フレミナールのオフィシャルホームページはこちら

GINTO ZOE (ギント ゾーエ)銀座店

「GINTO ZOE 銀座店」では、旬の魚のポワレと和牛のロースト2種類のメインが楽しめるディナーメニューがあります。「銀鮭のポワレ」はチリ産の鮭が使われており、しっとり火入れされたソフトな味わいです。

GINTO ZOE (ギント ゾーエ)銀座店のオフィシャルホームページはこちら

ハシモト (HASHIMOTO)

スペシャルなフォアグラ料理を食べたい方には、オリジナルの料理構成が魅力の「ハシモト (HASHIMOTO)」がおすすめです。「フォアグラとアスパラガスのソテー」にはクリームブリュレソースが加えられており、他では味わえない上品な味わいを楽しめます。

南荻窪 レストラン ハシモトの紹介ページはこちら

まとめ

いかがでしたか?ムニエル、ポワレ、ソテー、シュエの違いを知れば、料理のレパートリーが飛躍的に増えます。ぜひ挑戦して、食卓に新たな彩りを加えましょう。